皮膚を保護するために分泌している皮脂の量が、多すぎたり少なすぎたりするために起こる皮膚の病気です。比較的多くの犬がかかる病気で、なかなか完治しにくい病気です。
原因
おもに次のようなことは原因で脂漏症が引き起こされます。
- 脂肪分の不足
食餌中の脂肪分が不足したり、脂肪の質が悪かったりすると、一時的に皮脂の量が少なくなりますが、その後一転してホルモンの作用によって皮脂が過剰に分泌されるようになります。
- ビタミン・ミネラルの不足
ビタミンA、銅、亜鉛などが不足してくると、皮脂が乾燥しやすくなります。
- 寄生虫・真菌(カビ)による皮膚炎
ノミ・ダニの寄生や、真菌(カビ)に感染して皮膚炎になることによっても脂漏症になることがあります。
- アレルギーの治療で
慢性アレルギー治療でステロイドを使用した場合、皮膚が角質化しやすくなり、脂漏症にかかりやすくなります。膿皮症を併発することも多く、その場合、治療にはかなりの時間がかかります。
- 内蔵の異常
膵臓、肝臓、腸に何らかの異常があると、脂肪分の吸収が悪くなって脂漏症を引き起こすことがあります。
症状
脂漏症には「乾性型」と「脂性型」の二つのタイプがあります。
- 乾性型
乾性型では、皮脂腺の働きが悪くなることにより皮脂の分泌が悪くなって、皮膚がカサカサに乾燥します。
- 脂性型
脂性型では、皮脂が過剰に分泌されることによって、皮膚がベタベタと脂っぽくなります。
どちらのタイプも細菌の増殖によって患部から臭いにおいがし、フケが多量に出ます。
予防
まずは、バランスの良い食事を心がけることが予防の第1歩ですが、さまざまな原因で起こる病気のため、全てに共通した万能の予防策はありません。
かかってしまった場合の治療は、「乾性型」か「脂性型」、タイプによって異なりますが、どちらにしても獣医師の診断を仰ぎ、指示に従って適切な治療をしましょう。