人間も犬も、口から入った異物を体の外に出そうとして咳(せき)やクシャミが出ます。飲み込んでしまった異物を出すための咳(せき)であれば、出してしまえばケロっとしていますので心配はありません。しかし、感染症などが原因の咳の場合は気をつけなければなりません。咳が出る病気にはいくつかのタイプがあります。
①呼吸器に炎症を起こす病気
『ケンネルコフ』
人間の風によく似た症状が続く病気で、ウイルス感染などによって引き起こされる伝染性気管支炎や咽喉頭炎のことを総称して「ケンネルコフ」といいます。体力のある成犬の場合、大抵は1週間から10日ほどで完治しますが、体力のない子犬や老犬の場合は深刻な病状になることもあります。
『ジステンバー』
ジステンパーは、犬ジステンパーウイルスに感染することで、咳や鼻水、くしゃみといった呼吸器症状や嘔吐・下痢などの消化器症状症状を引き起こす病気です。ワクチンを接種している成犬であれば、ウィルスに感染しても、ほとんどの場合は軽い風邪のような症状が出るだけですが、ワクチン未接種の子犬の場合は深刻な症状を引き起こすことがあります。
『インフルエンザ』
犬がインフルエンザに感染すると、上部呼吸器系に炎症を起こし咳やくしゃみなどの症状が現れます。 時には、高熱を発することがあります。
②アレルギー
アレルギーのある犬は、気道に入ったアレルギー物質を取り除くために咳を繰り返すことがあります。気道に入っていたアレルゲン(花粉やタバコの煙など)らが除去されてしまえば咳は治まります。
③心臓病
『うっ血性心不全』
心臓が肥大することによって気道が圧迫されて咳が出ます。
『フィラリア』
フィラリアの幼虫に感染している蚊が媒介し、犬の循環システムに入り、徐々に肺に移動し犬に咳を(乾咳か、あるいはちょっと湿った咳)引き起こします。
咳が続くようなら深刻な病気の可能性もあります。咳の出方を気をつけて観察してください。
- 夜から朝にかけて咳が出る
- ひきつけるように咳き込む
- 四六時中コンコンと咳をする
まずは原因を突き止めなければなりません。獣医さんの診察を受け、適切な処置をしてもらいましょう。熱がないか、便の状態はどうかもよく確かめて、獣医さんには、なるべく詳しい症状を伝えるようにしましょう。