原因
犬パルボウイルス感染症は、犬パルボウイルスに感染した犬の便や吐いたものなどを、他の犬が舐めたりすることによって感染します。このほか、感染した犬に触った後、ウイルスの付いた手を消毒しないまま他の犬に触った場合なども感染の原因になります。
パルボウイルスは感染力・抵抗力が強く、6ヶ月以上も自然界で生存することができます。したがって住環境などの消毒が不十分だと他の犬にも感染が及ぶことがあります。
症状
数日から1週間ほどの潜伏期間を経て、激しい下痢や嘔吐、40度以上の発熱、脱水といった症状が現れます。便は水様性で強い臭いを発し、血便が出ることもあります。下痢や脱水の症状がさらに悪化すると、敗血症や脱水症状によるショック状態から死に至ることもあります。
現在、犬パルボウイルスに有効な薬はなく、そのため母犬からの免疫が切れた子犬では90%以上、成犬でも50%以上という死亡率の高い病気で、妊娠中のメス犬に感染すると、流産や死産を起こす可能性が非常に高くなります。
予防
母犬から受け継いだ免疫が切れる生後3週間~4ヶ月の間に、獣医師と相談してワクチン接種の時期と回数を決めましょう。
パルボウイルスは非常に強力なウイルスで、普通の消毒ではあまり効果がありません。万が一感染した場合は、薄めた漂白剤などで室内の消毒をしましょう。