一般的に人には「満腹感」という感覚があって、お腹がいっぱいになればそれ以上食べるのを止めます。それでは犬はどうなのでしょう?犬もお腹がいっぱいになることがあるのでしょうか。
犬にも満腹中枢というものがあって、ある一定の量の食餌を摂ればお腹はいっぱいになります。しかし、犬の満腹中枢は人間のそれと比較すると鈍いもので、お腹がいっぱいになるのには少々時間が必要です。
さらに、犬には野生で暮らしていたときの名残から「食いだめ」という修正があります。仮にお腹が空いていなくても、目の前にある食べ物をとりあえずお腹に入れておこうとするのはそのためです。
したがって、犬が欲しがる分だけ食べ物を与え続けることは、完全な与えすぎとなり、カロリーオーバーで健康を害することになるのは火を見るよりも明らかなことです。
正しい計算の上で食事の管理をすることが、犬の健康を守るための飼い主の義務なのです。
正しい食餌が犬の命を守る
食餌の与えすぎは、肥満をはじめとしてさまざまな健康障害の引き金になります。心臓や肝臓、腎臓などの内蔵の機能障害や、高脂血症などの血液の問題。あるいは歯周病などの口の中の病気。
大切な家族の一員である愛犬の健康を考えるのであれば、「なんとなくかわいそうだから」という理由から食べ物をむやみに与えず、きちんとした食事管理を行うことが飼い主の重要な役割なのです。
そして、当然このことは「いわんや人間おや」です。
子供に、夫に、そして自分に。
必要以上に食べ物を与えていませんか?
もしも思い当たる点があるようでしたら、愛犬に対する管理を人間にもしてみてはいかがでしょう?
人間だってもちろん「もともとは野生」の生き物なのですから。