すっかり人間に近づきつつある犬の生活環境。食生活などもだいぶ人間に似てきています。それでは、虫歯も人間並みに増えているのでしょうか?
そのあたりは少し違うようです。
人間の虫歯は、口腔内の環境に原因があります。つまりpH6.5~7の弱酸性である点が虫歯菌に活動しやすい環境を与えています。
それに対して、犬の口腔内はpH8.5~9とアルカリ性なのです。
アルカリ性であるがゆえに、虫歯になりにくい環境だといえるのです。
また、人間の唾液にはデンプン質を糖に分解する酵素アミラーゼがあって、口の中に糖が多く残る仕組みになっていまが、犬の唾液にアミラーゼは存在しないので、口の中に虫歯菌の餌となる糖が少なく、繁殖を抑制する原因になっています。
また、歯の形状の違いもあります。
人間の奥歯が臼のような形状をしているのに対し、犬の歯のほとんどは薄く尖っています。
人間の主食は消化に時間のかかる穀物であるため、引き裂くというよりすりつぶす機能が重要で、必然的に臼のような歯で咀嚼するという食べ方になるのです。
そして、臼状の歯のくぼみに細菌が繁殖しやすくなるのです。
犬はもともとがは肉食です。
人間とは逆に引き裂いたものをそのまま飲み込むという食べ方になります。
薄く鋭い歯には、そもそも虫歯菌がたまらないような形状になっているのです