尿路とは、尿道、膀胱。尿管。腎臓を総称して使う言葉です。尿路譴責相は、これらのうちのどこかに結石のできる病気です。
結石はさまざまな大きさのものができます。砂粒のような小さなものから、大きなもので鶏卵くらいのものまであります。
犬の尿道結石の大半は、膀胱と尿道にできる結石です。
原因
結石は通常、腎臓もしくは膀胱で作られ、その一部が尿とともに流れて、尿路のどこかにとどまります。
結石ができる確かな原因ははっきりとしませんが、食餌や水に含まれるカルシウムやマグネシウム、尿酸、けい酸などのミネラル類が、尿に含まれるタンパク質などと結合し、次第に大きくなって結石になると考えられています。
結石の形成は、次の3つの要素が促進させる原因と考えられています。
- 膀胱炎などの尿路感染症
- 水分の摂取量が少ない
- 食べ過ぎ
感染症があると、分泌物が増えたり、はがれた組織などで結石ができやすくなります。また、水分が足りないと尿が濃くなって結石ができやすくなります。食餌を食べ過ぎることでミネラル類を取りすぎることも、結石ができやすくなる原因になります。
症状
膀胱結石と尿道結石では、排尿の異常が現れます。尿の出が悪く、1回の量が少なくなって回数が増えます。ふだんは散歩の時にのみしている排尿の姿勢を、散歩以外のときにとるようになったら要注意です。
膀胱結石に見られる症状
膀胱に尿がたまり、おなかがぱんぱんに膨らむ。進行すると尿毒症や膀胱破裂になる恐れがあります。
尿道結石に見られる症状
尿道が結石によって刺激されて痛みがあるため、おなかを緊張させて背中を丸める姿勢をとります。おなかを触ったり抱き上げようとすると、嫌がるようになります。
治療
尿道結石の場合は、細い管を使って結石を膀胱に押し戻し、手術で膀胱を開いて結石を取り除きます。
尿管結石では、尿管が細く、手術が困難なため、大量の水を飲ませて、結石を尿で膀胱に押し流してから手術を行います。
結石が見つかった場合、ふだん与えているドッグフードのミネラル量が適正かどうか、獣医師にチェックしてもらうとよいでしょう。また、ドライドッグフードを与えている場合、水分が不足しがちなので、水は十分に飲ませるようにしましょう