乳腺にできるがんです。メスが発症するがんのうち、およそ半数が乳がんだと言われています。
原因
卵巣から分泌される女性ホルモンが関係していると考えられています。
症状
唯一の症状がしこりです。硬さや大きさなどはさまざまですが、乳房や乳頭と乳頭の間などにしこりができます。しこりには良性のものと悪性のものがあります。良性と悪性には、それぞれ次のような特徴があります。
良性のしこり
●皮膚の下にしこりがある
●しこりの境界線がはっきりしている。
●しこりがぐりぐりと動く
●しこりの成長がゆっくりとしている
●しこりは硬くて均一
●ただれたり、潰瘍になったりしない
悪性のしこり
●しこりが皮下の深部にまで及んでいる
●しこりの境界が不明瞭
●1~2ヶ月で急速に大きくなる
●炎症があり熱を持つ
●しこりの部分を痒がる
●乳頭から、血や膿などの分泌物が出る
●ただれたり、化膿したりする
●潰瘍ができることもある
このような違いのほか、悪性の場合は、放置すると血管やリンパ感を通じて全身にがんが転移します。
しこりが悪性か良性かの判断は素人にはできません。しこりを見つけらた、必ず獣医師の検査を受けましょう。
治療
切除手術を行い、がん細胞だけでなく、転移の可能性のある周囲の組織もできる限り切除します。腫瘍の大きさによっては、2~3個の乳房をいちどにとったり、片側のすべての乳房を取ることもあります。
さらに、全身に散らばったがん細胞のすべてを根絶するため、術後も抗がん剤を使って治療を続けます。
避妊手術を受けたメスは、乳がんを発症しにくくなります。将来の出産を望まなければ、避妊手術を受けることも予防のためのひとつの方策になります。
乳がんの発見法
メスは5歳を過ぎたら、毎月1回は乳がんのチェックを行いましょう。
おなか全体をなでて、しこりの有無を調べる
乳頭をやさしくつまんで、血や膿が出ないかを調べる