犬同士があいさつを交わすときや、相手の犬をいたわるときには鼻をかぎあいます。
散歩の途中で飼い主が公園の芝生の上でひと休みしているようなときも、犬は鼻ににおいをかぐために近寄ってくることがあります。「どうかしたの?」と相手を気遣うしぐさなのです。
お尻をかぎあうこともあいさつの一種です。お尻には、肛門の左右に肛門腺という分泌線があり、そこからそれぞれの犬固有の個体臭が発散されています。お尻のにおいをかいで相手のにおいを覚えることは、人間が相手の顔を覚えることに等しい行為なのです。
また、犬は互いに敵対することを避けるため、正面から向かい合わず、相手の後ろに回って頭を下げ、敵意のないことを示しながらあいさつを交わしているのです。
社交性がない犬の場合、尾を足の間に挟み込んで、においをかぎ合うことを拒み、威嚇したり攻撃したりすることもあります。こうした犬になるのは、子犬のうちから母犬や兄弟犬たち、あるいはその他の犬たちと触れ合う機会がなかったことが原因です。
小さいうちからなるべく多くの犬と接触させて社会性を養うことが大切です。
散歩に出た時など、飼い主のあなたが恥ずかしがり屋さんだと、あなたの愛犬もほかの犬と触れ合う機会が少なくなってしまいます。可愛い愛犬のためにも、あなたのほんの少しの勇気も必要です。
それが大きな愛になるんです。