犬が座った状態からさらに前脚を折って胸を床につけた姿勢が「フセ」の姿勢です。「フセ」は次のどんな命令にも対処できる待機の姿勢です。緊張感をもって待機することを教えましょう。
訓練には2つのパターンがあります。
始めに教えるのは「座った状態からのフセ」です。この「座った状態からのフセ」をマスターしたら、つぎに「足った状態からのフセ」を教えます。順序だてて教えていくことが訓練の基本です。
座った状態からの「フセ」
①座った犬の顔の前に右手を出して「マテ」を命じて対面します。右手を下ろすと同時に「フセ」を命じて、左手で短く持ったヒモを地面につけるように引きます。この時、犬に苦痛を与えないように首輪はゆるめにしておきましょう。
②前脚を突っ張ってしまう場合は、首輪を持って頭を下げながら、左手で前脚を引いて正しい姿勢を教えましょう。
③できたらそのままの姿勢でほめます。
立った状態からの「フセ」
立った状態からの「フセ」は、動作としては「オスワリ」+座った状態からの「フセ」になります。この時も、首輪を押さえて地面につけるように引くときに犬が苦しくならないよう、あらかじめ首輪はゆるめにしておきましょう。
うまくできるようになったらヒモを使わずに、声符と視符だけで訓練していきましょう。
「フセ」は次の命令に対する「待機」の姿勢であって、「休め」ではありません。「フセ」の間は常に次の命令を待つ緊張感を持たせることが大切です。したがって「フセ」の姿勢を長時間取らせずに、「フセ」をマスターしたら、すぐに次の訓練に移りましょう。